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昭和40年ごろは、スマホもガラケーも、ポケットベルさえ無い時代でした。

当時の電話は黒電話が主流でした。

ですが、お店や事務所は電話を持っていたものの、

まだまだ一般家庭への普及の途中で、電話が無い家もたくさんありました。

電話の設置にあたって、高価な電信電話債券を買わないといけないのもネックでした。

でも、町に行けば、いたるところに公衆電話がありました。

電話ボックスなんてしゃれたものは、数が少なかったですが、

写真のように台に置かれただけの赤電話が、小さな店の店さきにも置いてありました。

この赤い公衆電話は10円入れて、ダイヤルを回して使います。

最初は、何分でも使えました。

3分10円になったときは「ケチだなあ」と、みんなぼやいたものでした。

年末になると、タクシーを呼びたいお客さんで、電話の前に行列ができました。

公共のものですから、あまり長電話をすると、後ろの人に咳ばらいをされたりします。


しかし、郊外に行くと、タクシーを呼びたくても公衆電話が無い、

ということも、よくありました。

さて、どうしたでしょう?

そんなときは、電話を持っていそうな家に頼んで、家の電話を貸してもらうのです。

「えっ!見ず知らずの家に?」 と、思われたことでしょう。

今の感覚だと、私もそう思います

知らない人がいきなり入ってきて「電話貸してもらえませんか?」と言ったら、

今なら、ちょっと怖いかも、です。

でも、当時は普通によくある話でした。

電話をかけて人は、お礼を言って、10円を置いて帰ります。

市外電話は当時から高かったのですが、

よくわかってないおばあさんとかが来て、

長電話して10円しか置いて行かなかったこともあります。

「としよりじゃけえ、しょうがねえなあ」

と、父も苦笑いしていました。

昔の人は、おおらかですよね。


さて、タクシーは公衆電話で呼べるものの、

スマホやガラケーが無くて困るのは、待ち合わせです。

これは、時間と場所をよくよく決めておかないと、会えません!!


これは、もう少し前、父と母の若い頃の話です。

  日曜日に、二人で映画を見に行こうと約束していました。

  しかし、来ない。

  映画の始まる時間になっても、更に1時間待ち、2時間待っても来ないんです。

  実は、父は商店街の北側の端で待ち、母は商店街の南側の端で待っていたのです。

  それぞれ、商店街の入り口だと思って。

  2時間後、二人ともカッカと怒って、もう帰ろうと、バス停に行ってやっと会えたのでした。

  昔はバスの本数も少ないですからね。


今はスマホがあって、電話もできれば、ナビも使える、とっても便利な世の中です。

でも、逆にスマホを忘れると悲惨です。

あんなにたくさんあった電話ボックスは、どこに行ったのでしょう。

道行く人は皆さんスマホかガラケーを持っているのは分かっていますが、

個人情報が入っているものを、貸してとは、とても言えません。

お店に「公衆電話無いですか」と聞いても、小さい店には置いていないことが多いです。


昔は便利だったなあと、思ったりしています。